雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―

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野田市 愛宕神社

愛宕神社

○データ
・場所:千葉県野田市 愛宕神社
・年代:文政7(1824)年
・千葉県指定有形文化財
・参考:愛宕神社前の立て看板 八幡愚童訓

野田市愛宕神社は東武野田線愛宕駅の名の由来ともなっている神社で、火伏せの 神を祀る京都愛宕神社の分社です。近くには愛宕権現の本地仏である勝軍地蔵を まつる寺院があり、神仏習合が今も見ることができる場所です。
建物は入母屋造、正面に千鳥破風・唐破風をつける屋根の凝ったつくりですが、 建物自体の規模は小さく、三間四方、約5.4メートル四方となります。
さて、建物としては小規模なのですが、余すところなく装飾彫刻が施されているのが この神社の特徴です。木鼻や向拝部分などはいうまでもなく、羽目板(壁)から縁下の組物まで、 柱や貫までも文様が彫り込まれています。彩色こそは施されていませんが、彫刻の妙は 素木だからこそ活きている、そんな感じを持たされる姿です。
彫刻の主題は羽目板(壁)の彫刻に見ることができます。 すなわち、鎌倉時代末期に書かれたという『八幡愚童訓』をもとにしたもので、アメノウズメ とタヂカラオによる天の岩戸開きの神話、神功皇后の三韓討伐の神話が彫られています。 また、『八幡愚童訓』にはありませんが、ヤマトタケルによるクマソ退治の姿も彫られています。 ここで問題となるのは愛宕信仰とこの彫刻群のつながり。 何か意味があるのか、それともこういう彫刻が流行であったのか、調査の手を緩められないところです。
また、腰羽目板には唐子の彫刻(「かごめかごめ」の由来になった、と言われる彫刻も)、軒下 の龍の彫刻などもみどころで、装飾彫刻を好む人々にはぜひとも拝見してほしい神社です。

○装飾配当表

本殿装飾(正面)
懸魚(千鳥破風) 懸魚(唐破風) 虹梁 木鼻 手挟(2)
飛龍 ・亀 獅子 牡丹
本殿装飾(背面)
軒廻り(右) 軒廻り(中) 軒廻り(左) 羽目板(右) 羽目板(中) 羽目板(左)
蒲公英・鳥 鴛鴦 花鳥 神功皇后 龍女? 沙竭羅龍王
腰羽目(右) 腰羽目(中) 腰羽目(左) 縁下 縁隅
鶏に餌やる唐子 唐子と闘鶏 籠と鶏と唐子
本殿装飾(左側面)
軒廻り(右) 軒廻り(中) 軒廻り(左) 羽目板(中) 羽目板(左) 脇障子
水鳥 花鳥 クマソ ヤマトタケル 孔雀・唐獅子
腰羽目(右) 腰羽目(中) 腰羽目(左) 縁下 縁隅
相撲 魚獲り 獅子舞
本殿装飾(右側面)
軒廻り(右) 軒廻り(中) 軒廻り(左) 羽目板(右) 羽目板(中) 脇障子
花鳥 水鳥 タヂカラオ アメノウズメ 鷲・龍
腰羽目(右) 腰羽目(中) 腰羽目(左) 縁下 縁隅
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