雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―

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犬(いぬ)

犬

○撮影場所:富山県小矢部市 石動愛宕神社拝殿(蟇股)
○制作年代:文久2(1862)年
犬の装飾彫刻を見かける機会は意外と少ない。
・犬の姿:犬百態

■概要
哺乳綱食肉目イヌ科。世界で最も古く家畜化された動物。
十二支の十一番目。方位は西北西、時間は午後八時前後、旧暦九月を司る。
・関連:十二支

■特徴
◎装飾彫刻では見間違えることはないが、いわゆる日本犬である。

■来歴
人間とともに暮らし始めた最古の動物。忠義に熱い動物として知られ、その逸話は 世界中に分布している。また、西洋では死を司る動物とされ、エジプトのアヌビス神、 ギリシア神話のケルベロスが挙げられる。
日本でも犬の歴史は縄文時代にさかのぼることができる。装飾に用いられたのは古墳時代の 埴輪が最初であるが、あまりにも身近すぎるためか、装飾彫刻では十二支の十一番目として 用いられるくらいである。
平安時代末期の「鳥獣戯画乙巻」では、座る犬・吠えかかる犬・喧嘩する犬が描かれており、また、 甲・丙巻では擬人化されて登場している。
屏風絵などでは、南蛮屏風における南蛮人との付属、風俗屏風における 琵琶法師を追い回す犬などがある。

■意味
十二支のうちの11番目というのもあるが、単体で用いられる時は安産・多産の象徴 とされることもある。

出典・参考

・『論衡』「物勢第十四」(『新釈漢文大系』68)
戌は土なり、其の禽は犬なり。

・高藤晴俊『図説社寺建築の装飾』

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