○データ
・場所:群馬県高崎市 榛名神社
・年代:安政2(1855)年
・国指定重要文化財
榛名神社は榛名信仰から生まれた神社で、『延喜式』にも記録があることから
それなりの規模があったことが窺えます。また、山岳信仰ならではの神仏習合の
地でしたが、明治時代になり完全分離。その名残は遺跡と三重塔に見ることができます。
現在も榛名信仰の中心地として、また雨乞いの霊地として尊崇を集めています。
さて、榛名神社双龍門は安政2(1855)年の造営。総欅の素木造です。
屋根を見ると四方に唐破風を乗せ、屋根の複雑さを醸し出しています。
彫刻は唐破風部分を中心に用いられており、鳳凰や鶴、飛龍など。名前の由来になった龍は
天井に描かれている2体の龍とも、門に丸く彫刻された龍とも言われています。
羽目板には三国志にちなんだ彫刻がされていますが、残念ながら網がかかっており、
詳しく見ることは叶いません。
本殿に比べるとインパクトは少ないかもしれませんが、階段の先に見えるこの双龍門と鉾岩
は景観としても他にはない雰囲気を出しており、それらも踏まえたうえでこの門が存在しているのではないかと
思います。