雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―

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鉄拐先生(てっかいせんせい)

鉄枴先生

○撮影場所:栃木県日光市 日光東照宮陽明門
○制作年代:寛永13(1636)年
鉄拐先生はどういうわけか仙人の中でもよく見かける。浅黒い姿、 足を引きずっている、口から魂のようなものを吹くのが特徴。この図像では唐子が杖を持つ。
・組み合わせ:劉海蟾(蝦蟇仙人)
・鉄拐の姿:鉄拐百態

■概要
中国における八仙の一人。鉄の拐(杖)を常に持っていたということ からその名がついたとされる。中国では医薬の神とされる。
日本では蝦蟇仙人とセットで飾られることが多く、よく眼にする機会も多い。
図像としては上図にあるように杖を持ち魂を吹き出す姿が多いが、
どこからその図像が生まれたかはわからない。

■物語
鉄拐先生は本名を李鉄拐といい、仙人の素質があったといわれる。
ある日、魂だけを別の世界に出かけさせ、弟子に「七日経って戻ってこなければ 焼いてよい」と言った。ところが六日目、弟子の母が病気になり、弟子は鉄拐先生 の体を焼いて出発してしまった。七日目に鉄拐先生の魂が戻ってきたものの、 体がなく、仕方なく付近にあった死体に入ったという。

■図像
・『有象列仙全伝』(慶安3【1650】年刊)
・林守篤『画筌』(正徳2【1712】年自序、享保6【1721】年刊)

出典・参考

・『有象列仙全伝』
・高橋幹夫『絵で知る江戸時代』
・『中華五福吉祥図典 寿』

石野広道(享保3【1718】〜寛政12【1800】)の『絵そらごと』によれば、
「鉄拐子の自分のかたちを吹出す事列仙伝にこそなけれ世々につたへて人みなしる」
とあり、仙人伝の根本である『列仙伝』には自分の分身を吹き出す話が出ていないのに、
世の中では知られている、と記されている。

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