雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―

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鐘馗(しょうき)

鐘馗

○撮影場所:石川県金沢市
金石夏祭曳山の御神体

装束は黒ずくめではないが、容貌や装束の形から鐘馗 と判断できる。このような姿も五月人形として あったりする。

■特徴
・黒ずくめのことが多い
・髯を多く蓄えている
・中国の装束

■概要
中国伝説上の人物。
謡曲「鐘馗」や「皇帝」に登場し、話の筋は違うものの、 悪鬼を祓うということは共通しており、魔除けの象徴とされた。
端午の節句に飾られたり、魔除けの札に描かれたり、軒先に飾られていたりと 見る機会は多い。

■図像
・林守篤『画筌』(正徳2【1712】年自序、享保6【1721】年刊)
・『頭書増補訓蒙図彙集成』(寛政元【1789】年刊)

出典・参考

・謡曲「鐘馗」(野上豊一郎『解註謡曲全集5』)
(なぜ鐘馗の霊が朝廷を悪鬼から守ったのかと言う問に対して) 鐘馗及第の砌(みぎり)にて、われと亡ぜし悪心を、翻す一念・発起菩提心 なるとかや。げに誠ある誓いとて、国土を鎮めわきてなお、禁裏雲居の楼閣の、 ここやかしこに遍満し、あるいは玉殿、廊下の下、御階のもとまでも、剣を潜めて 忍び忍びに、もとむれば案の如く、鬼神は通力失せ、現われ出づるを忽ちに、ずたずたに 切りはなちて、天に輝き地に遍く、治まる国土となる事も、げにありがたき誓いかな。

・謡曲「皇帝」(野上豊一郎『解註謡曲全集5』)
(楊貴妃が病気になり、困っていた玄宗皇帝の目の前に老人が現われて言うには) 贈官のみか緑袍を、屍骸に葬る旧恩に、今かく君の寵愛し給う、貴妃の病を平らげて、 奇特を見せしめ申すべし。然らば件(くだん)の明王鏡を、かの御枕に立て置き 給わば、必ず姿を現わさん。

・正徳4(1714)年『絵本故事談』巻之四 鐘馗(『江戸怪異綺想文学大系』3)
玄宗皇帝ある年の正月に瘧をやみて臥給ふ。夢に一の小鬼みづから虚耗と称して、 玉笛をぬすむ。時に一の大鬼来て小鬼をとらへて、是を啖ふ。玄宗夢の中にこれが 名を問給へば、対て申さく、「臣は終南山の進士鐘馗也。高祖の武徳年中に及第せざるを 恥て階にふれて死たる時、袍帯を給て葬る。此恩を報ぜん為に誓て、天下の虚耗の鬼を除く」と。 玄宗夢さめて疾いゆ。即呉道士に命じて、其図を写し天下に伝へ給ふと也。

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