雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―

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瀧尾神社(拝殿・拝所・幣殿・東西廊・手水舎)

瀧尾神社

○データ
・場所:京都府京都市東山区 瀧尾神社
・年代:天保10〜11(1839〜1840)年
・装飾箇所:木鼻 蟇股 欄間 懸魚
・京都市指定有形文化財
・参考資料:『古建築の装飾―京都の近世社寺細見―』(京都市文化財ブックス第18集 2004年)

瀧尾神社はJR東福寺の近く、住宅地にひっそりとある神社です。観光地でもなく訪れる人も まばらなのですが、京都市内有数の装飾彫刻が見られる神社です。建築としても重要な神社で、 拝殿・拝所・幣殿・本殿が一直線に並び、幣殿の左右には西廊・東廊が連なり、そして絵馬所・手水舎(ここにも彫刻があるのですが、 今回調査漏れ)が揃う姿は見所です。

○装飾配当図(拝殿・手水舎除く)

瀧尾神社
@鳳凰 A山鵲 B謎の霊獣 C鶴に松(唐破風) D獅子・獏(一対) E海馬(?) F犀
Gマコラ?(一対) H兎(一対) I鳳凰(一対) J龍・象 K水鳥 L犬・猪 M鶏・猿
N馬・羊 O龍・蛇 P兎・虎 Q牛・鼠 R猿(一対) S獅子(一対) 21鹿

・補足
拝殿天井には渦巻く龍の彫刻がいる。
手水舎にも彫刻が施されているが、今回調査できず。
S、21は参考資料による。
彫刻の一部には網で保護されているものあり。

全て彩色のない素木の彫刻ですが、江戸時代末期ということもあって彫刻は成熟しており、 また獅子・獏の全身像の木鼻など見かけることがない彫刻でこの神社は埋め尽くされています。
とはいえ欄間や木鼻、蟇股など限られた部分の装飾に留まっており、関東で見かける 何もかも装飾で埋め尽くす、というパターンではありません。
また、十二支の彫刻はあまり意味を含むようには思えず、純粋に飾りという意識で 作られているように思えます。
しかし、木鼻に鳳凰の頭部をかたどったり獅子や獏の全身像を作るパターン、 また拝殿天井に大胆にも渦巻く龍の彫刻を配するは まず見かけることはないかと思うので、江戸技術の成熟を見る上で重要な建築です。

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