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唐獅子(からじし)

唐獅子

○撮影場所:京都市下京区 西本願寺唐門(唐破風)
○制作年代:寛永年間か
唐獅子をとにかく見たいなら、ここ。バリエーション、数、他の追随を許さない。

○特徴
・体毛はカールしている
・ネコ科の感じがある(もともとはライオン)
・彩色はさまざま
・組み合わせ:牡丹
・唐獅子百態:下記へ
※参考:「鳥獣戯画」の動物

○来歴
中国伝来であるが、もとはライオン。だから西洋(シルクロード)伝来といってもよい。
法隆寺所蔵の「獅子狩文錦(国宝)」の獅子 は著名であり、そのほかあげると仏教絵画・彫刻を中心に多く見られる。文殊菩薩の乗物 としても有名であり、「獅子坐」といえば仏尊の座す台座を指す。
「鳥獣戯画」にも勇猛な獅子が2体描かれており、また「平家納経」にも見ることができる (ちなみに両方ともまだ牡丹とは結び付けられていない。)。
牡丹が装飾として使われる(中国では南宋以降)とともに結び付けられ、「百獣の王」 と「百花の王」である唐獅子牡丹 の組み合わせができる。戦国大名などにもその迫力と豪華さからよく用いられ、 それは庶民にも広がった。
図像としては獅子が牡丹に戯れる、獅子の親子、獅子の球遊び、獅子同士のけんか、 獅子の子落とし、謡曲「石橋」のモチーフなどがある。
獅子の球遊びは獅子の雌雄が戯れあい、毛が球になり、そこから獅子の赤子が生まれるとされた(双獅戯球)。
中国清朝では武官二品の印とされた。

○意味
意匠の王道としてとにかく使われているが、魔除け、聖域守護の意味が 一番強いだろう。 ただ、謡曲「石橋(しゃっきょう)」を表現している場合もあり、注意が必要。

○出典・参考
・『図説社寺建築の装飾』
・『日本・中国の文様事典』
・『中国五福吉祥図典 禄 喜』
・『今昔物語集』巻第5の14「獅子猿の子を哀れび、肉を割きて鷲に与えたること」
謡曲「石橋」

・『今昔物語集』巻第5の14「獅子猿の子を哀れび、肉を割きて鷲に与えたること」
(今野達 校注 岩波新日本古典文学大系32『今昔物語集1』)
この獅子心の内に思う様、「我はこれもろもろの獣の王なり。さればもろもろの獣を護り哀ればむ。」

・謡曲「石橋」(野上豊一郎『解註謡曲全集6』)
牡丹の花房匂い充ち満ち、たいきんりんの獅子頭、打てや囃せや牡丹芳、黄金の蘂、現われて、 花に戯れ枝に伏し転び、げにも上なき、獅子王の勢い、靡かぬ草木もなき時なれや、 万歳千秋と舞い納めて、獅子の座にこそ、直りけれ。

○唐獅子百態

場所 形状・部位 年代 備考
吉野町吉野水分神社 蟇股彫刻 1605年
京都市北野天満宮 蟇股彫刻 1607年
京都市御香宮神社 蟇股彫刻 1625年
京都市二条城 狭間彫刻 1626年以前
京都市西本願寺 綿板彫刻 1630年頃
小松市那谷寺 壁彫刻 1642年
長浜市大通寺 欄間彫刻 1840年
加賀市薬王院温泉寺 手挟彫刻 1844年
金沢市西養寺 木鼻彫刻 1851年
小矢部市石動愛宕社 脇障子彫刻 1862年 子落とし
高岡御車山二番町 飾金具
城端曳山祭諫鼓山 曳山彫刻 1917年 石橋
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