雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―

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麒麟(きりん)

麒麟

○撮影場所:京都府下京区 西本願寺唐門
○制作年代:寛永年間(江戸初期)か
区別はつきやすいのだが、場所によって図像が異なる。流派の違いだろうか?

○特徴
・顔は龍のようで体は鹿か馬のよう、角(大体は一角)を持つ
・髭がある場合があり、毛はカール気味
・蹄(ひづめ)がある
・彩色はさまざま
・組み合わせ:雲(五色)
・麒麟百態:下記へ
※参考:「鳥獣戯画」の動物

○来歴
雄を麒、雌を麟といい(逆という説も)、中国では聖王の治世の時に出現するとされた。
四霊の一体であるが、四聖獣では虎と入れ替えになっている(四霊と四聖獣の 発祥の違いか)。 日本ではどのように流入したかはわからないが、『日本書紀』や『延喜式』の祥瑞に その名を見ることができる。また、「鳥獣戯画」でもその姿を対で見ることができるが、 片や角が剣をかたどっている。何らかの根拠があってのものであろう。
麒麟の姿は彫刻や絵画としてよく見ることができるが、身近な例としては 某ビール会社のラベルが有名である。
中国清朝では武官一品の印とされた。

○意味
世の中が平和な時に現れるとされ、殺生を一切せず、 肉も植物も口にしないと言われていることから、理想、平和の意味があると 思われる。また、鳳凰と同じく瑞兆(めでたいこと)の意味も取れよう。
鳳凰と組み合わされる時があり(麟鳳呈祥)、天下泰平の光景に例えられる。

○出典・参考
・『延喜式』巻二十一 治部省 祥瑞 大瑞(『国史大系』26)
「麟 仁獣なり。麕身にして羊頭。牛尾・一角。端に肉あり。」
・『図説社寺建築の彫刻』
・『日本・中国の文様事典』
・『中国五福吉祥図典 禄 喜』

○麒麟百態

場所 形状・部位 年代 備考
京都市北野天満宮 蟇股彫刻 1607年
坂井市瀧谷寺 木鼻彫刻 1663年
八王子市薬王院 欄間彫刻 1729年
高山祭鳳凰台 屋台彫刻 19世紀
高山祭麒麟台 木鼻彫刻 19世紀
加賀市薬王院温泉寺 蟇股彫刻 1844年
高岡御車山木舟町 後屏彫刻 1856年 漆器
小矢部市石動愛宕社 手挟彫刻 1862年 四瑞
高岡御車山二番町 飾金具
八尾曳山祭今町山 金鶏障彫刻 1867〜1874 周文王
氷見祇園祭上伊勢町山 衣桁彫刻 1900年 神農
城端曳山祭諫鼓山 幕板彫刻 1954年
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