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西明寺三重塔―外は地味でも―

西明寺三重塔

○データ
・場所:滋賀県甲良町 西明寺三重塔
・建立年:鎌倉末期
・装飾箇所:一層目の内部(絵画)
・国宝

西明寺三重塔は創建年代がわからないものの、その様式から 鎌倉時代末期の建築とされています。
この塔、外観には装飾の姿は微塵も見られませんが、 一層目の内部壁面や柱に仏画が認められます。

中心部には金剛界大日如来の像、像の安置される須弥壇(しゅみだん) の四天柱には32体の菩薩が描かれています。天井は最高の格式を示す折上格天井、 扉には天部の諸尊、そして壁には法華経8巻28品が絵画化されています。
また、柱には牡丹や蓮、護法のための龍、迦陵頻伽などが描かれ、まさに仏のための 荘厳がされており、鎌倉時代末期の装飾壁画として貴重な存在です。

塔というのは、なかなか中を拝観させてくれないのですが、案外装飾が多いのです。 理由は「仏のおわすところ」だから、といえばよいでしょうか。そういう意味では 法隆寺や平等院鳳凰堂などにも共通することです。
仏の理想世界を装飾に込める。しかしこの場合は中に人が入ることはまずありません。 これがだんだんと外に出てくるのがいつか?実は難しいところなのです。

※注
西明寺三重塔内部拝観は期間限定公開です。
詳しくは西明寺ホームページを御覧下さい。

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