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法隆寺金堂 ―江戸につけられた龍―

法隆寺金堂

○データ
・場所:奈良県斑鳩町 法隆寺金堂
・建立年:7世紀後半〜8世紀初頭、以後度重なる修理を受ける
・装飾箇所:内陣壁画(今はレプリカ) 支柱の龍 裳階と屋根の間の動物(江戸期)
・国宝:世界遺産(現存最古の木造建築)

8世紀初頭に再建されたいわずと知れた現存最古の木造建築。
本来は柱が朱塗り、壁の白さが引き立つ姿でした。内部にはいわゆる「金堂壁画」 (残念ながら原本は焼失、今はレプリカ)が描かれており、仏の世界を表現しています。
ここでみたいのは金堂の2層目の控え柱です。

龍

御覧のように、龍が巻きついています。このような龍の姿は法隆寺の創建当初は いないものです。ということは、はじめからいたものではありません。
ときおりある勘違いなのですが、建物は未来永劫その形のままにあることは ありえません。修理もすれば解体もします。そこで「なるべくもとの姿に直す」 というのは、あくまでも近現代の思想でして、それ以前は「修理のついでに」 改造することがザラでした。
そのことを踏まえると、この柱の龍は、どうやら元禄時代(18世紀初頭)の 法隆寺大修理のときにつけられたもののようです。
火事にならないように願ったか、それとも仏法の守護神としてつけられたか、 ややもすれば趣味的なもの(大きな寺社仏閣の修理は幕府や藩の仕事ですから) でつけられたか。

建物のみかたは人それぞれですが、こんな楽しみ方もあります。

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