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牛乗り童子

牛乗り童子 牛乗り童子

○撮影場所:大阪市北区 大阪天満宮脇門
○制作年代:弘化2(1845)年以降

■概要
牛乗り童子は・・・と説明したいところだが、今のところ何者かわからない。
梅と牛、場所が天満宮であることから菅原道真の連想もできる。
以下に可能性として2案示す。

寛政元(1789)年に出版された「頭書増補訓蒙図彙大成」(高橋幹夫『絵で知る江戸時代』所収)には、 牧童として横笛を吹き、牛に乗った童子が描かれている。それに高橋氏が添えた注に「牧童寒笛倚牛吹」 の漢詩の引用とともに、「世の中が静かな姿」の象徴としている。
この詩は晩唐の詩人杜荀鶴(846〜904?)によるもので、『和漢朗詠集』にも収録されている。
これで牛乗り童子を解釈するなら、世の中が静かな姿という意味になろう。

室町時代に日本に流入したという「十牛図」の第六「騎牛帰家」には牛に乗った人物が横笛を吹いている。 これは様々な解釈があるが、牛(真の自分)と一体化した姿というのが一般的なようである。

福井県越前市毫摂寺鐘楼にも類似の牛乗り童子がいる。

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